Bits Archive: September 2006

September 1, 2006

懐かしのLPプレーヤー

夏休みがあったのも理由の一部だが、8月というのにあれこれ忙しく、ここのところブログを書く余裕がなかった。9月にはA&V Festaに参加してデモも予定しているので、また書き込みが始まることになるはずだ。


今日はTechnics SL-10というアナログのレコードプレーヤーについて書こう。極めてコンパクトな32cm角のジャケットサイズに収められた技術はクオーツDDドライブ、フルオートリニアトラッキング、MCカートリッジ、さらにはウォールマウント対応など、マニアを納得させるだけの内容を網羅し、そのデザインとコンセプトの先進性で衆目を唸らせた往年の名機だ。


この製品が発売されのは僕がドルビーの仕事をするようになった1979年のことで、音楽鑑賞はLP全盛という時代を感じさせる製品でもある。カセットも成長著しい時期だったが、利便性はともかく音質については見下される存在だった。


当時の僕はどちらかというとACダイレクトドライブ信奉者で、DENONのDP-3000 + DL103という構成の自作プレーヤーをずっと使っていたが、それでもSL-10の魅力とインパクトは充分大きかった。DP-3000は数年前に調子が悪くなったので修理にでも出そうかと思いつつ解体してしまい込んだままにしており、実は最近このSL-10を手に入れるまでレコードを再生できる機械がうちにはなかった。




我が家のリビングを少しリフォームしている影響でいろんなものが机の周りに集まって来て、SL-10をMeridianの561の上に載せてみるとこれがほとんどピッタリサイズであることを発見した。でもこのふたつは重ねるべきじゃないね。ちゃんと並べてあげれば、双方マッチングするデザインかどうかはともかく、それぞれの造形美が賞味可能にはなると思う。




September 7, 2006

CONTAX

先週土曜日の日経にデジタル一眼の販売が伸びているとの記事。ソニーのα100が市場を押しているとのこと。



6月の欧州旅行中に愛用のカメラCONTAXに異常が生じ、まず視度調整レンズの金属枠部分が壊れてどこかになくなってしまった。それから2本目のフィルムを撮り終えて巻き戻そうとしたら、メカに不調があったのか巻き戻せなくなってフィルムを切ってしまった。
「今のうちにボディーを一台買い換えておこうか」、「でもフジカのGA645も欲しいし」とか対応策を考えることしきり。でも今となっては完全デジタル移行じゃないのか?


僕はちょっと特別な旅行の時はリバーサルフィルムを持って行く。今回の旅行でもデジカメよりはアナログカメラの方が遥かに俊敏に反応できるし、使い勝手はやっぱりアナログと実感する。しかし撮った写真を観る段になるとデジタルの便利さは圧倒的だ。商業フォトの現場でもデジカメは主流化しているみたいで、キャノンからは16.7M画素のフル35フィルムサイズ製品も出た。


一方、CONTAX・京セラは昨年デジカメを含むカメラ部門からの撤退を決めて、すでに店頭から姿を消している。RTS発売時の感激を知るものとしては名店が消える思いで、とても残念!カール・ツァイスのレンズはソニー製品の中で辛うじて生き残っている。そして今年ミノルタ・コニカもまたカメラ事業を閉じることが決まり、資産はソニーが継承することになって、7月21日(金)にα100という画素数10Mの一眼デジカメが発売開始された。ツァイスも使えるし、手ブレ補正とノイズ除去で低シャッター速度時の実用性が高まっているなら使ってみたいと食指が動く。


9月に入ってニコンからも10Mの新製品D80が登場、低ノイズ画質、レスポンス速度、ボディーの完成度など、マニア心をくすぐる。両者のボディーの重量差は僅かなのに、D80はやたら重く感じたのはレンズのせい?


さて、件のポジフィルムはビックカメラで無事カメラから取り出され、ちゃんとスライドに仕上がってきた。同時にフォトCDにも焼いてもらったが、これが今回のデータはトーンは暗いし、画質も甘いのはどうしたのだろう。Photoshopで調整してこれくらい。

Contax/Distagon 28mm



Nikon CoolPix/Nikkor 7.8-32mm





September 12, 2006

Jaguar XK


先週土曜日の日経にデジタル一眼の販売が伸びているとの記事。

ジャガーの新車XKにドルビープロロジックIIが搭載され、車内の音楽鑑賞アメニティに一役買っている。このジャガーXKの商談会が9月8日(金)から始まり、名古屋・大阪・東京と移動しながら毎週末に展開されるのだが、この催しにドルビーも協力参加して、オーディオ再生へのこだわりと音場空間の創造が車環境でいかに大切かをアピールしている。


実はその前に僕もこのコンバーチブルモデルを試乗させてもらった。XKは機能を超えた趣味性の高さがまさに大人のラグジュアリー・スポーツカーという印象で、操縦し且つ所有することの楽しさを格別な充足感として味わえる車だった。その成熟した魅力にはひれ伏すしかない。それに相応しい価格が1200万超と聞くと、頑張っても多分僕にはこれが限度と思うSLKの倍の価格帯では現実の対象とはならないが、高級車の売れ行きは今好調なので、富裕層は「今度はXKもいいな」、「カレラから乗り替えようか」などと悩んだりするのだろう。それにしてもこの市場、時計のビジネスと同じでレクサスのような国産はなかなか足元に近づけないようだ。


ところでこの新モデルXKの登場を機に、我々もささやかなコラボを企画しようということで2007年のデスクカレンダーを作ることにした。わがカーチームは8月に金沢方面にドライブして既に撮影ロケを敢行したので、その成果を2点お見せします。関係者は乞うご期待を。







September 16, 2006

iTunes 7

アップルの新製品発表会が9月12日にサンフランシスコ市内で行われ、例によってスティーブ・ジョブズCEOの熱っぽい解説でその詳細が披露された。


発表会の模様はアーカイブビデオが下記のサイトにアップされている。もちろん英語ですが。
It's Showtime


iPodシリーズもすべてラインが一新されたが、少しずつ機能アップさせてくるところが商品企画屋さんとしては心憎いばかりだ。同時に紹介されたiTunes 7はかなりのメジャー・アップデートで、僕のマックもiPodもその日のうちに更新した。フォントが少し小振りになって一画面で見渡せる曲数が多くなったし、アルバムジャケット写真の自動取り込みというサービスも盛り込まれて利便性を高めている。




さらに今回、新しい商売としてテレビ番組に続いてついに映画のダウンロードサービスを手始めにPixarでつながっているディズニー系スタジオ作品から開始する。スティーブは解説で特長のふたつ目に「ドルビーサラウンド」音声を挙げてくれたりして、どうもありがとうございます。




この話は上記アーカイブビデオの中で36分あたりから始まり、ドルビーに言及するのは39分45秒のポイントなので、興味のある方はご確認ください。
但しマック製品群は総じてサラウンド音声の対応に関しては遅れ気味で、例えばそれをiPodでどうやって楽しむのかと言うところまでは彼の話も進まないわけで、これは今後の期待ということになる。




September 22, 2006

A&V FESTA開催!

21日よりパシフィコ横浜にてA&V FESTAが開催された。ドルビーも今年は久しぶりの参加で、次世代ディスクでの技術デモを仕掛けている。そこでこれから出かける皆さんに事前情報をお伝えしよう。


開演前にアンケート記入している観客の皆さんです。


ドルビーのブースは他社会場からは隔てられた中二階で場所的ハンディを心配したが、入口に近いしかえって目立つかも知れない。メイン会場からもTrueHDのロゴが壁面に見えますから、目印になるでしょう。


今回はDolby Digital PlusもDolby TrueHDもお見せする。しかも次世代プレーヤーの実機からのデモも用意できた。ここが初お目見えかなという仕込みもある。まずフルHDプロジェクターはシャープのXV-Z21000をお借りしたが、これは10月1日発売の最新モデル。次に東芝のHD-XA1プレーヤーは発売時2chのTrueHD再生までしか対応していなかったが、ようやくソフトウェア・バージョンアップができて5.1ch再生可能な状態で実機を使用している。

© Sharp Corporation

© Toshiba Corporation


今回のスピーカーシステムは7.1レイアウトのDALIのHELICONシリーズをデノンのAVアンプで駆動している。しなやかで且つ音楽的にも聴き応えがあり、品位を感じさせる音はなかなかという感じがする。


デモはまず松下の北米向けBDプレーヤーDMP-BD10を使ってBlu-rayディスクを再生し、DVDを超える640kドルビーデジタルの音を聞いていただく。次にHD-XA1で市販ソフトによるDolby Digital PlusトラックとTrueHDトラックの切り替え再生を行い、その差を比較確認していただく。さらにいくつかHDxHDデモが続くという流れ。


デモ自体はじっくりと楽しんでいただけると思うが、席を確保するのが少し大変かも知れない。毎時30分(初回10:30から)にデモを組んでいるが、席数は僅か16で予約券を開演1時間前に配布する。先着順なので1時間より早めに並ぶのが第一関門、次に実際のデモは5分前に来てもらえば着席はできるが、これもセンターの良い席を取ろうと思えば早めに並ぶという第二の手間がある。


今回は画質もバッチリHDの醍醐味を感じていただけると思うし、音と絵のバランスも大見得を切るところまでは行かなくても、どうにか目標のレベルには来たかなという気がするので、表参道でのライフスタイル的デモに納得されなかった方々にも聞いてみていただきたいと思っている。A&V FESTAなのでオーディオマニア対象ですからね!





October 1, 2006

休業宣言

DOLBY-BITSを昨年の10月に開設して、一年が経過しました。このブログページは当初はドルビーバーチャルスピーカーのTRY!キャンペーンの一環として、ユーザーの皆様との双方向的な接点を作ろうということで始めたものです。その土台を基に、今年春にはHD2 Emotions @表参道ヒルズのイベントにつなげて、いろんな情報発信をさせていただきました。

もちろん我々としても初めてのことで不備も多々あったかと思いますが、ブログとしての所期の目的は達成できたと感じています。(私自身は勝手なことを書いてきたに過ぎませんが・・・)

一方でさらに充実感のある発展をと考えると、現在の体制ではなかなか先が見えないということも事実で、この課題に対しては解決法を持たないままここまで来たという状況です。ここは一旦休業して充電期間を設けたいと私たちは考えました。

これまでお付き合いいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。

皆様とは、より魅力に富んだ内容を携えて、将来new-bitsブログを立ち上げた現場で、是非再会したいと考えています。

これからもドルビーをどうぞよろしく!


ドルビー日本支社

在日代表

伏木 雅昭







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